この記事では、『食糧人類』で1番の衝撃シーンであり謎でもあるナツネの母について解説、考察していきます。
また『食糧人類』をこれから読み始める、という方に『食糧人類』をどこで読めばいいのかもあわせて紹介していこうと思います。
手っ取り早く読みたい場合は、まんが王国がおすすめです。
Contents
『食糧人類』とは?“食べられる側”になった人類
『食糧人類』は、その名の通り食糧として食べられる側になった人類を描いた漫画です。
ジャンルは一応ホラー・サスペンス。終盤ちょっとだけSF要素があります。
作者 | 水谷健吾(原案) 蔵石ユウ(原作) イナベカズ(作画) |
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巻数 | 全7巻(62話) |
出版社 | 講談社 |
Wikipedia | Wikipedia |
累計発行部数は315万部を突破しており、インターネットの広告でみたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
本編の舞台は人類より進んだ文明(宇宙人)に支配された地球を描いており、その宇宙人が人を食べるという性質をもっていることから人の死が多く描かれています。
ショッキングな描写や奇怪な見た目の宇宙人や食糧となるため改良された人間が物語には多く登場します。
一見すると、出オチ漫画のように思われがちですが、登場人物の心理描写や物語の伏線はしっかりと描かれており、全7巻62話を一度も盛り下がることなく楽しめます。
物語は男子高校生の主人公が友達とバスに乗ったところからはじまります。バス内に突然睡眠ガスが充満し宇宙人用の食糧加工場『ゆりかご』へと運ばれてしまいます。
そこでは人間が人間を扱う恐怖の食肉加工、非人道的な実験、そして宇宙人を駆逐するための作戦が秘密裏に行われていました。
化け物を凌ぐため人間性を捨てた人達。『食糧人類』の登場人物。
人類はただ食糧にされているわけではありません。相手が化け物なら、人類側も化け物並のキャラクターが登場します。
伊江(いえ)
本編の主人公。帰宅中にバスごと拉致されゆりかごへと運ばれてしまいます。睡眠ガスが効きにくい体質だったのか、搬送途中に目を覚まします。
基本的には気弱な性格で、ほかのキャラクター言いなりになる場面が多いですが、画家をめざしていることから瞬間記憶能力をもっています。
記憶力を活かしほかのキャラクターの力になったり、時には、友達をたすけるため宇宙人に対して立ち向かう勇気をもっています。
カズ
伊江の親友。祖父母が熱中症で亡くなっており気象学者になるを目指しています。
伊江とバスに同乗した時、催眠ガスで眠らされゆりかごへと連れていかれます。
途中で覚醒し施設の違和感に気がついた伊江と違い人間を肥えさせる謎の薬液を飲んでしまい、精神年齢が幼くなっています。
戦力外のようにみえて意外とカンが鋭く、周囲の微妙な変化に気がついたりする場面もあります。
ゆりかごからの脱出後は伊江とともに共同生活をしており、薬が微量だったことから徐々に元の精神状態に戻っており、伊江の心の支えになっています。
ナツネ
伊江が人間飼育場で出会った青年。コミュ障ですぐに手がでてしまう性格。
しかし、その正体は宇宙人に対して食糧の安定供給をするために造られた増殖種のただ1人の成功例であり、核が潰されない限り身体が無限に回復する特殊能力をもっています。
その性質から成長速度が常人と異なり、ナツネと会ったときは外見は高校生でも実年齢は6歳で、コミュ障なのもすぐに手が出てしまうのも当たり前だったことが後にわかります。
人間の子を産み続けるために改良された生殖種の女性に対して優しく、ハグやキスをする場面があり、当初は性にだらしないようなキャラクター造形なのかと思いきや、母親を求める自然な感情だったことがわかります。
伊江とカズにも優しく、不器用ながらもちゃんとコミュニケーションをとろうとする好青年で作中人気も高い模様。
自分の母親を不幸にしたゆりかごと宇宙人の撲滅を目指しており、戦闘スタイルは自らの回復力を活かした肉を切らせて骨を断つ戦法をとります。
物語終盤では宇宙人との決着をつけるため、自らのクローンを大量に生み出し喰わせつづけることでプリオン病を誘発させ、見事壊滅させました。
山引(やまびき)
伊江が人間飼育場で出会った青年の1人。知的好奇心と不思議なカリスマ性を持つ。
男女問わず性的欲求を覚えるバイ・セクシャルであり、貞操観念も低くどんな状況でも興奮する変態です。
かつて、とある大学の研究生で遺伝子学において天才的な才能をもっており、その分野の新発見を繰り返すなど功績は輝かしいが、そのことから教授に目をつけられ事故を装い大量の放射線を浴びせられてしまいます。
しかし、自らに陶酔していた教授の娘に助けられ、一命をとりとめます。その際自信に多種多様な生物の遺伝子をとりこんでおり、ナツネほどでは無いものの常人離れした回復力と特殊な能力を持ちます。
宇宙人撲滅のためナツネのクローンを作り出し延々と喰わせることでプリオン病を誘発させる策を実行。ナツネとともに無事宇宙人撲滅をなしとげました。
最終話では再開した伊江に別れを告げ、ナツネと共にどこかへ去ってしまいました。
小倉 年雄(おぐら としお)
ゆりかごの天井裏に隠れ住んでいる中年の男性。
元々はゆりかごの秘密を暴こうと潜入したライターであったが、宇宙人の恐ろしい姿と食糧として人間が加工される異様な光景に恐怖し、以降ずっと天井裏に隠れ住んでいました。
施設から脱出することもできず、孤独な時間を過ごしすぎたために、板に書いた女性の絵を彼女のように接しています。
見た目はまるで浮浪者のようで喋り方も独特、一見やばい奴ですが、時には年長者として伊江を落ち着かせたり、年下を気遣う優しさも持ち合わせています。
ナツネと山引によって宇宙人が壊滅したことで伊江、カズと共にゆりかごから生還、その後ゆりかご起こった出来事を書籍化しベストセラーを獲得、以降時の人となりました。
個人的にも好きなキャラクターで、序盤は絶対裏切りそうなキャラクターなのに、最後まで意外と義理堅いところが好きになれます。
増殖種、夕凪の会。作中用語解説。ナツネの母の正体は増殖種の失敗作なのか?
『食糧人類』にはその言葉の響からすでに不穏なものが多く登場します。みてはいけないものをみてしまう独特な感情を楽しめるのも作品の魅力です。
宇宙人(巨大生物)
日本の総理大臣を土下座させ、世界を統べる恐怖の侵略者。体はカマキリのようで、目と口だけ人間に似ている不気味な風貌をしています。
地球にたどり着いてすぐに海中に潜り込み、メタンハイドレートを大量放出させることで地球温暖化をすすめ、地球を人質にとることで、人類を屈服させました。
知能が高く人智を超える技術を持っている他、異常な食欲と繁殖力をもっており、それは飢餓状態がつづくと共食いをはじめてしまうほどです。
その知能の高さ故に、惑星の頂点に君臨したものの、結果母性を食い潰してしまい、新たな移住先として地球をみつけました。
実は作中の人間を作ったのも宇宙人であり、太古の地球に宇宙人の探査員が降り立った時に人類の祖先の残虐さと狡猾さに目をつけ、遺伝子改良することで人間の知能レベルを格段とあげました。
宇宙人も、もともとは人間のような体型をしていたものの、母性から地球へくる際の高速移動の衝撃に耐えれるように外骨格化して今のおぞましい姿になってしまったことが語られています。
母性を滅ぼしたことを反省し、食欲と生殖力を抑えるため種族の生態を蜂のように“女王”と“その他”にわけることで生殖力を制限することに成功したようです。
この宇宙人の生態はおもしろいと思いました。
正直、“宇宙人がクイーンとワーカーにわかれている”という設定はよくみかけますが、ちゃんと“生殖力を抑制するため”という理由をちゃんと用意しているというところが面白いです。
“人間が食糧として養殖されている”“人間は実は宇宙人に造られていた”という設定は多くのSF作品で使い古されていますが、そこに新しくちゃんと理由をつける作者の発想こそ、この『食糧人類』という漫画がただの出オチ漫画で終わらない所以だと思います。
『食糧人類』には序盤から“遺伝子学”が多く描写されています。
大学の研究生が遺伝子操作で人間のクローンを創ったり、傷がすぐに治る人間を創ったりと現実世界と比べるとその分野に関しては先に行っているのかもしれません。
山引やナツネがどういうキャラクターなのか描くための演出の都合かと思いきや、人間を創った宇宙人がもともと遺伝子操作を得意とする種族だったという伏線回収があります。
残虐描写に目がいきがちですが、SF描写もかなりおもしろいとおもいます。
生殖種、増殖種
生殖種は宇宙人の食糧供給のため生殖能力を発達させた女性達のことです。薬によって過剰に女性ホルモンや性欲を増強されているため、髪は伸びきっており乳房も異様に肥大化し垂れ下がっています。
薬の影響からか理性はほぼなくなっており、歯が抜け、中も外もまるで麻薬中毒者のようになってしまいます。従業員曰く、茹で卵から雛がかえらないように、生殖種になってしまった人間はもとの体に戻ることできないそう。
増殖種は作中ではナツネしか登場しません。その名のとおり四肢が欠損しても中枢神経が傷つかない限り、永遠と回復できる能力を持ちます。
ナツネの母
増殖種なのか生殖種だったのか不明です。
ナツネを育て、ゆりかごから脱出できるほど機転も効くため、生殖種用の薬は使われていなかったのではないかと考えられます。
しかし、大事な増殖種を身篭っているかもしれない存在としては警備が甘々で、作中ではボタン1つで空いてしまう檻にはいっていました。
ゆりかごから脱出したあとは、安いアパートに隠れ住んでおり、ナツネを部屋から一切出さず育てていました。
しかし、もともと特殊な薬を使っていたのか徐々に体が肥大化し、人としての外見はたもてなくなりやがて腐りはててしまいました。
それでも、ゆりかごの追っ手にナツネが捕まりそうになった時はナツネを逃げるように促し、最後まで母親としての愛情だけは残っていたようです。
夕凪の会
かつて山引がいた研究室の教授、桐生が率いるゆりかごの警備部隊。
メンバーは過去に施設から逃亡しようとした者や施設内でトラブルを起こした者で構成されています。
メンバーは人体改造手術をされており、一般人とは比べ物にならないパワーや嗅覚を持っており、伊江達を追い詰めます。
「施設内では銃火器が禁止されている」という理由で、非人道的な手術が認められていたが、手術を受けたもの達の恨みは凄まじく、最終的には桐生は報いを受けることになりました。
『食糧人類』(プラス、アスタリスク)の読者の評判、感想。
『食糧人類』は“グロ”や“SF”の塩梅が絶妙で、まだディストピア系の作品に触れたことがないという方におすすめです。
わかりやすい人類と宇宙人の関係、ちゃんとわかりやすく伏線を回収してくれるある意味読みやすい漫画です。
SNSも賛否両論ありますが、主に作品の良い部分を評価する声が多いです。逆にSFやスプラッター作品が大好き!という方はちょっと満足できないかもしれません。
実際宇宙人が“なぜ人間を食べなければならないのか?”というところが説明されておらず、なぜ豚や牛などの肉ではだめなのか疑問に思った人も多いでしょう。
例え“人間にしかない未知のの栄養素”を宇宙人が欲していたとして、ナツネのクローンでも満足できるのなら、山引が作中で造っていた人間のキメラでも良いのではないでしょうか?
この辺の謎が、『食糧人類Re』で解明されることを期待したいですね。
『食糧人類』以外の魅力的な作品。イナベカズ、蔵石ユウタッグの他作品を読むには?
『食糧人類』を全巻読んで、イナベカズ、蔵石ユウタッグの他作品を探したいという方におすすめなのが『電人N』です。
コンビニアルバイトで生計を立てる主人公。うだつの上がらない日々の唯一の救いは好きなアイドルを応援すること。
こんなさえない主人公がある日突然電気人間『電人』になるというお話です。
食糧人類に比べて話のスケールが小さいように感じますが、回を追うごとにだんだんとスケールが大きくなっていくところが作品の魅力のひとつです。
電人は自分のアイドルグループを全世界に広めようとします。その方法は真っ当なプロデュース活動ではなく、常軌を逸したものでした。
逆らう人間はそれがアイドルのグループメンバーであろうと容赦なく排除していきます。
さすが、『食糧人類』を手懸けたタッグなだけあり、理不尽でサイコな描写は読んでいて毎回ゾクゾクします。
『食糧人類』を読み終えて、退屈している方はぜひ読んでみてください。
『食糧人類』が読めるおすすめのアプリ・サイト
『食糧人類』がお得に読めるサイトは以下になります。
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